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真夏の炬燵でコンクラーヴェ [水琴窟のウンディーネ]

すがきやは名古屋の味.jpg

 何かこう、新しい想像が膨らみそうな。

 不思議な気持ちで過ごしています。やや、意味不明ですな。みなさまにご説明申し上げますと、「菅原道真」と「飛梅」をモチーフにした物語が高菜らいすの頭の中でむくむくと育っている昨今なのです。菅原道真は政争に敗れて大宰府に左遷されたと言われています。左遷されることになったとき、庭の梅の木に「私はもうここから去るけれど、梅の花よ、主がいないからって咲くのを忘れてはいけないよ。春になったら咲くんだよ」と歌を詠んだ。するとこの梅の木は道真を追いかけて太宰府まで飛んでついていった。主を追いかけたんだね。

 また藤原一族が流行病で相次いでなくなったときには、「菅公の祟りじゃ!」と都で噂されたとか。祟りだと解釈したということは、ひょっとしたら後ろめたい気持ちもあったのかなと思われる。都でバリバリの文官をしていた当時の道真は、藤原氏の勢威もなんのその、「間違ってる!」といさめたりもしていたそう。

 さらにウィキペディアによると、菅原氏というのは天穂日命(アメノホヒノミコト)の子孫であるという記述もある。日本神話に結び付けられるくらいには、勢いのあった一族だったのだろうと推察されます。

 そんな道真の血統や生き様を想像して、まずは高菜らいす脳内で「菅原道真」をモチーフにした男性キャラクターができあがる。その後、例の梅の木、この梅の木を擬人化させる、たとえば小さな可愛らしい童女を「梅の木の化身」として想像してみる。そしてこの二人が、左遷される旅の道中或いは左遷先で、言葉を交わす。そんな物語がどんどんと育ってきているのであります。

 華やかさは控えめな、素朴な舞台が似合うかもしれない。ただ素朴すぎると現代人である高菜らいすに対していまいちフックに乏しい気もする。補わなければ、と思いまして、たとえば「恐ろしく勝気」な童女というイメージを盛り込んではどうか。モチーフとした「飛梅」の話では道真を慕って追いかけた梅だったけれど、少し見方を変えて、梅の化身が存在する世界、現実界と合わせ鏡になっている異界にはルールがあって、梅はそのルールに従いしぶしぶ道真を追いかけざるを得なかった、という追加設定を考えたり。旅の道中、道真は物の怪である梅の童女を本気で斬ろうと思ったりすることも。ときには政争の一部始終を眺めていた梅の童女が問う、「なぜあのときああしなかったのか? 形勢が不利であるのにさらに不利になるような言動をするのか?」と問うのである。

 道真モチーフの男性キャラは強く答える。「自分には信念があって、それを曲げることができなかったからだ。いまでもこの信念は変わらない」と。梅の子は「ヒトってバカだなあ」と思う。なぜこんなにバカなのだろうと、その理由を少し考えたくなってしまう。興味が湧いてきたんだ。そうして、神の眷属と呼ぶにはあまりにも力を失ってしまったヒトの寿命は短く、出来ることも極めて少ないということに思い当たる。梅の木自身も、植物を統べる樹木の神<ククノチの神>の眷属の一員ではあるけれど、力はどんどん失われている。自分の一族もいつかはヒトのような儚い存在となってしまうのであろうか、と考えたりするんであった。

 二人の初めての出会いの場面は、やはりおセンチになっていた道真が歌を詠んだときがふさわしいのではないか。道真が梅の木に対して歌を詠んだときに、突然梅の化身に激しい言葉で突き返されるのだ。「お前がおらんでもこっちは新春になりゃ勝手に咲いたらぁ! 世界はお前を中心に回っとんのと違うで! なにセンチメンタルになっとんじゃい! キモイ! あんたのせいでわたしは賭けに負けたんじゃ! わたしはあんたを推しとったのに! なんで政争に負けてんねんこのくそたわけ! ボケ! あほ!」とすごまれるんである。うん、異界の生き物たちで賭けをしていて、それに負けた梅の木は罰ゲームとして現前することになり、左遷地についていくことになったというのはどうだろうか。異界の賭場には、藤の化身、桐の化身、萩の化身、などもいたのかも?

 などと、断片と呼べるくらいには妄想が広がるのであります。
 ただ思いついたことを紙にだらだらと書き留める。
 そんな昨今。誰かこんな物語を書いてはくれまいか。

 さておき今は現代物の物語を書いています。「食品製造工場で働く40代男性の物語」です。お仕事や働くことについて考えたくなる高菜らいすのようです。「なぜ若者はすぐに辞めてしまうのか。辛いのが仕事じゃないか。根性無いなあと思うけれど……ほんとにそれで片付けていいのだろうか? 若者のほうが実は正しく、理にかなっているのではないか?」と不安になってしまう男の人のお話を書いています。ゼリー工場なんだよ? むふふ。

 この頃ゼリーをよく食べています。



【追記】 画像が文章とまったく関係ないじゃん!(笑) スガキヤの袋ラーメンだよ。思い出補正も加わって、おいしいラーメンです。100円くらいで売っていますニャ。


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たにぐち


どうもお久しぶりです。いつも楽しく読ませていただいております。
こちらもこの頃はいくぶん暑気も和らいで過ごしやすくなったような気がしますが、そちらはいかがでしょうか。今年は早く涼しくなるといいですね。

ところで今プロットを練られているという歴史物、面白そうですね。賭けで負けた〜というアイデアが上手いなあと感心しました。完成が楽しみです。でも、今は現代物をご執筆とのこと。ゼリー工場ですか。「チャーリーとチョコレート工場」みたいなのをつい想像してしまいますね(笑)。ゼリーの小人達が「仕事を抜け出しておいらと遊ぼうぜ」って主人公に囁いて唄い始めるんですか。 ってそんなわけないか(笑)。えーっと同時進行はいろいろと大変かとも思いますが、揺蕩う想像の大海をまっしぐらに突き進んでいってください。

by たにぐち (2011-08-24 17:47) 

takana_R

 お久しぶりです。たしかにこちらも暑さが幾分収まってきたように感じます。このまま穏やかに秋になってくれれば良いのですけれど。早く涼しくなるといいですね(^^

 想定しているのは、歴史物というよりは異文化ファンタジーとでも申せばよいでしょうか。モチーフは、武家と公家にはっきりと別れてしまう前の日本文化。古典を探すと日本にはたくさんの古典があることを知るのですけれど、仏教の影響がまだ少ない時期のもののほうが面白いなあと。(仏教説話は、ワンパターンであまり興味を持てないのでした。「良いことをしたから報われた」「悪いことをしたから報いを受けた」「前世で良いことをしたから現世で報われた」「現世で悪いことをしたから来世は悪い結果」「ごくらく行き」「地獄行き」などなど、単純すぎていやはや(^^; 古事記はぶっとんでて、面白かったです)

 ゼリー工場は、小人は出てこず、ほんとに現代物でして。「働くとはなんなのか?」「根性論は正しいの? 間違ってるの?」「伝える言葉を持たない人の発したでまかせか?」などなど、現代社会に一石を投じる物語になる予定なのです(笑) にはは(^^;

 想像の大海原を、進みたいと思いますー。
 ではでは。
by takana_R (2011-08-25 19:43) 

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